自分の家を建てるのに使われる木材が製材されたり、大工さんによって手刻みされたりしている現場を見てみたい!と考えて、天然住宅の西澤さんと吉澤さんにお願いをして、宮城県の栗駒木材株式会社にお邪魔してきた。
栗駒木材の白鳥さんに伺った話の中で印象に残ったことを箇条書きしてみる。
- 製材する際に出る樹皮やチップなどのバイオマス燃料を使って、木材を燻煙乾燥している
- 燻煙乾燥とは囲炉裏の煙に燻された古材に通じる、木材の強度を高める乾燥方法
- 天然住宅の相根さんや名古屋大学などと協力して、燻煙乾燥した木材と、高温で乾燥した一般的な木材の強度を比較、研究するための施設を、これから栗駒木材の敷地内に建てるところ
- 栗駒地震の時に倒れなかったのは、古い伝統的な造りの家だった
- 手で刻んだ木材を継手や仕口といった手法を使って「木を木でしめる」、そして家の強度を高める、そんな大工さんの技術を残していきたい
- 日本の山を守りたい。だから栗駒木材の製材所には外材が1本もない。国産材にこだわっている
- 日本の木材需要量は1億立方メートル。それに対して国産材の供給可能な量は9千万立方メートルと言われている
- 住む人の健康を害するおそれのあるようなものは扱いたくない。だから栗駒木材の製材所には合板が1枚もない。防カビ処理した木材も全くない。こんな製材所は日本では唯一ではないか
- 栗駒木材での生産量は、木材:製紙用チップ=6:4
- 将来的には、間伐作業などで出た”しば”を使って木質ペレットの生産をしたいと考えている
- FSCという仕組みは良いが、その認証を得るのにお金がかかりすぎるし、認証を取ったところでそのコストに見合うほどのメリット(販売量の増加)は期待できないのでは。実際、認証を取るほどの経営的余裕は無い
- 合板の技術自体はすばらしい。人体に影響のあるような接着剤などを使わずに合板を生産できる技術ができれば、合板を取り扱うのも良いと思う
栗駒木材の、日本の山に対するアツい気持ちや姿勢に直接触れることができたし、我が家の構造材を手刻みしてくれるだけでなく、わざわざ現場までやって来てくれる大工のさとるさんともがっちり握手できたし、本当に行って良かった。
次の日は、川度温泉近くの荒れてしまっていた山を守るために、栗駒木材が以前購入したエコラの森で、間伐作業をした。不要になったものをどんどん処分してすっきりしちゃおう!というような大掃除が好きな自分にとっては、間伐はすごく気分の良い作業だった。
エコラの森には、熊にさえ遭遇しなければとてもごきげんな、トレイルランに適した林道があるし、ちょっと行けば良いブナ林があって滑るのにも良さそうな、穏やかな山容の栗駒山もあるし、栗駒木材にはぜひまた行かねばなー、って思う。
2010年5月14日の追記
栗駒木材の白鳥さんに
「平野邸に使う木はどこの山のものかわかりますか?」
とメールで聞いたところ、
「はっきりはつかめませんでしたが4mまでは栗駒産、長物は本吉という宮城県でも海の近くで伐採されたものの様です。」
と返信をいただいた。宮城県の木なんだなあ。楽天ファンになってみようかなあ。
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